巻1.05 三人の男

頼光ら山伏一行は、大江山の麓・生野の里に着くと、老翁、五十ばかりの丈夫、四十ばかりの男の三人に遭遇する。

頼光と老翁はしばし問答を行う。老翁は、大江山が天下に名高い鬼の棲み処であり、もとは比叡山にいた酒呑童子が、伝教大師にその地を逐われ、彼が大江山に地をしめて以来、都に現れては人さらいをしていることを語る。更に、自分たちも妻子をさらわれた者であり、津の守源頼光が鬼神討伐の宣旨をうけて大江山に向かっていると聞き、伴って仇を討つために、この場所に留まっているのだという。

老翁は日も暮れたので、近くの宿に留まることを頼光一行に勧める。

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    大江山の麓で不思議な三人の男たちと遭遇する場面。