54. 大津 走井茶屋(東海道五十三次:歌川広重)
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良質な水の水量豊かな所
現在の滋賀県大津市。大津宿と京都との山間に走井の里があった。「走井」とは勢いよく湧き出る井戸との意で、ここは良質な水の水量豊かな場所であった。広重はここでも『東海道名所図会』の挿図を参考にして描いている。茶店の軒端には湧き出る走井が描かれるが、この水で作られた走井餅は土産物として人気があった。街道には米俵や薪を積んだ牛車がリズミカルに3台並んで下りてくる。遠景に見える山は逢坂山。逢坂山は絶えず湧き水で道がぬかるみ、牛車での運搬には苦労したという。米俵や薪を積んだ牛車が行きする。大津は北陸や近江国の産物や魚類が運び込まれ、毎日、市がたったそうだ。そして多くの荷が京都へ運ばれた。逢坂山は後刷りで一旦消失し、再び復活したようだ。
〈参考サイト〉
文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 54 大津《走井茶店》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/174894)
知足美術館「大津 走井茶店|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/53_otsu/)
東京富士美術館「東海道五拾三次之内 大津 走井茶店 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04374/)
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