50. 土山 春之雨(東海道五十三次:歌川広重)

箱根に匹敵する難所鈴鹿峠

 現在の滋賀県甲賀市。京都から江戸を目指すと最初の大きな峠が八百八谷といわれた鈴鹿峠であった。土山宿は鈴鹿峠を越えたところにある。「坂は照る照る 鈴鹿は曇る あいの土山 雨がふる」と馬子唄に詠われた土山は、雨の多い場所として知られ、画面右側に描かれた田村川の激しい水流は、そのことを物語っている。《庄野 白雨》のそれとは違い、雨を表す線が無数に交差し、雨足の強さを強調している。降りしきる雨の中、田村川に架かった橋を大名行列の一行が静かに渡り始めている。

〈参考サイト〉

知足美術館「「土山 春之雨|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/49_tsuchiyama/

アダチ版画研究所「歌川広重「東海道五拾三次 土山 春之雨」」(https://store.adachi-hanga.com/products/uk_hiroshige062?srsltid=AfmBOooJDXz8TzFPXy7NzqQQeh4JlhPq43Zps7HpMKxlCaor7bm_iyTu

東京富士美術館「東海道五拾三次之内 土山 春之雨 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04370/

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