49. 阪之下 筆捨嶺(東海道五十三次:歌川広重)
-
-
美しい筆捨山
現在の三重県亀山市。画面左に見えるのは岩根山で奇岩や松、滝などで知られていた。山肌には流れ出す2条の滝が見える。室町時代、狩野元信がこの山を描こうとしたが描き切れず、山間に筆を捨てたという謂れから筆捨山と呼ばれている。山と街道の間の窪みには鈴鹿川が流れているとみられる。街道沿いは茶店があり、山の見物に勤しむ客で賑わっている。山の下にある白い空間は川のもやを表現したのでしょうか。距離感を生み、自然の雄大さを見せている。遠景のなだらかな山のシルエットが筆捨山の奇抜さをより際立たせている。下からは荷を積んだ牛が茶屋に近付いてきている。
〈参考サイト〉
東京富士美術館「東海道五拾三次之内 阪之下 筆捨嶺 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04369/)
知足美術館「「阪之下 筆捨嶺|東海道五十三次」」(https://chisoku.jp/tokaido/48_sakanoshita/)
アダチ版画研究所「歌川広重「東海道五拾三次 阪之下 筆捨嶺」」(https://store.adachi-hanga.com/products/uk_hiroshige061?srsltid=AfmBOopRvaq4OK9hHh4HnUpS6VAhbG_jcIZkxxMHETFv49N3B5Llpgxr)
-
関連記事