42. 宮 熱田神事(東海道五十三次:歌川広重)

5月5日、馬の塔

 現在の愛知県名古屋市熱田区。宮とは熱田神宮のこと。ここでは毎年5月5日に馬の塔といわれる、近郊の村々から馬を奉納するという神事が行われていた。本図では、裸馬に荒薦を巻き、人々が伴走しながら献馬する、俄馬の場面を描いている。の祭りの馬には神が降臨されているとされ、この馬を二頭駈けさせ、その早さで、その年の豊作などを占ったといわれている。奥の藍染めの半纏を着た一群と手前の赤い有松絞の半纏を着た一群が競り合う迫真のシーン。人馬が通り過ぎるスピード感を強調するように、鳥居の左側部分だけが画面の中に収まっている。天と地を暗い色にすることにより、夜であることがわかります。左の先頭の男の右手を頂点として、紡錐形に右側に広がる構図。かがり火の中での勇壮な祭りの様子をダイナミックに描いている。

〈参考サイト〉

知足美術館「宮 熱田神事|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/41_miya/

アダチ版画研究所「歌川広重「東海道五拾三次 宮 熱田神事」」(https://store.adachi-hanga.com/products/uk_hiroshige054?srsltid=AfmBOopjwWyG7xyTsty1tiGGQfQCfDfA8FSNAmt_XvK3opDRLCZ1N3Z3

東京富士美術館「東海道五拾三次之内 宮 熱田神事 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04362/

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