39. 岡崎 矢矧之橋(東海道五十三次:歌川広重)
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東海第一の長橋
現在の愛知県岡崎市。岡崎は、家康ゆかりの地であり、矢矧川水運の基地として、西三河地方の経済、文化、交通の中心都市として栄えた。眼前を流れる矢矧川に架けられた矢作橋は、幕府によって架けられた東海道随一の大橋であった。東海道の名所をまとめた書籍である『東海道名所図会』には「長さ二百八間(約370メートル)...東海第一の長橋なり」とある。川の中は白砂で、水深は浅い。大名行列が橋を渡っているところであり、向こう側には岡崎城の櫓が描かれている。広重はこの大橋に大名行列の一行をずらりと並ばせることで、その長さをより一層強調したかったのであろう。対岸に姿を見せているのが、徳川家康が生誕したとされる岡崎城の天守閣である。豊臣秀吉が蜂須賀小六と出会ったのはこの橋。画面中央を横切る橋を遠近法で強調し、遠くには、岡崎城をはじめ、多くの人家が連なる賑わった街を巧みに表現している。
〈参考サイト〉
知足美術館「岡崎 矢矧之橋|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/38_okazaki/)
アダチ版画研究所「歌川広重「東海道五拾三次 岡崎 矢矧之橋」」(https://store.adachi-hanga.com/products/uk_hiroshige051?srsltid=AfmBOorNoK1KfNCL5vHksp57-bkHEqqsDLCXfL1SBawMgPUWQRwO0CEp)
東京富士美術館「東海道五拾三次之内 岡崎 矢矧之橋 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04359/)
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