38. 藤川 棒鼻ノ図(東海道五十三次:歌川広重)

八朔御馬進献

 現在の愛知県岡崎市。街道と宿場の境界には棒示杭が立てられており、棒鼻とは宿場の出入口のこと。本図では「八朔御馬進献」の行列を宿場の役人が入口まで出迎える様子が描かれる。八朔とは8月1日。幕府はこの日、朝廷に御馬を献上することを重要な儀式としていた。行列の中の御幣を立てた馬が献上される御馬である。広重はこの「八朔御馬進献」に同行し、それが《東海道五拾三次》シリーズにつながったともいわれている。愛らしい黒赤二頭の馬。夕雲がたなびき、一行を迎えて犬まで座っているところが面白い。

〈参考サイト〉

文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 38 藤川《棒鼻ノ図》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/197768

東京富士美術館「東海道五拾三次之内 藤川 棒鼻ノ図 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04358/

知足美術館「藤川 棒鼻ノ図|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/37_fujikawa/

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