37. 赤坂 旅舎招婦ノ図(東海道五十三次:歌川広重)
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旅籠の賑わいと風俗
現在の愛知県豊川市。御油と赤坂の区間は、わずか二キロメートル弱という東海道中で一番短い旅程。旅籠屋の室内を上から覗き込むような構図。左側の部屋では横たわり煙管をふかす男性のもとへ女中が2膳分の食事を運び入れ、その横では按摩師が懸命に客を口説いている。右側の部屋には飯盛女と呼ばれる招婦たちが念入りに化粧を施している。奥の階段にも下りてくる人の姿が見え、こうした人々の動きからこの旅籠屋の活況が伝わってくる。中庭に配置された蘇鉄と石灯籠も本図に一つの興趣を添えている。前景中央の大きな蘇鉄越しに、にぎやかな宿の中の様子が描かれている。
〈参考サイト〉
アダチ版画研究所「歌川広重「東海道五拾三次 赤阪 旅舎招婦ノ図」」(https://store.adachi-hanga.com/products/uk_hiroshige049?srsltid=AfmBOoq4qZAaa4Uwmg3Zu3NFXlggTHJ0kaKnywsqIJiQg39OMV_EUizC)
東京富士美術館「東海道五拾三次之内 赤阪 旅舎招婦ノ図 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04357/)
知足美術館「赤阪 旅舎招婦ノ図|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/36_akasaka/)
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