34. 二川 猿ヶ馬場(東海道五十三次:歌川広重)

姫小松の景勝地猿ヶ馬場

 現在の愛知県豊橋市。猿ヶ馬場周辺は姫小松の景勝の地として知られ、奥まで見渡せるなだらかな平原にはこの姫小松が無数に繁茂しているのが見える。猿ヶ馬場は、三河と遠州の国境に位置している。茶店の看板には「名物かしは餅」とあるように、この辺の名物はかしわ餅であった。道を行く3人の女性は、瞽女と呼ばれた盲目の女性たちで、彼女らは諸国を廻りながら三味線や琵琶を弾いて「瞽女唄」を披露して生計を立てていた。よく見ると3人とも各々楽器を持ち運んでいる。茶屋前を通る旅芸人の一行を小さく描き、ぼかしを組み合わせることで丘陵の広さと奥行きを表現している。

〈参考サイト〉

アダチ版画研究所「歌川広重「東海道五拾三次 二川 猿ケ馬場」」(https://store.adachi-hanga.com/products/uk_hiroshige046?srsltid=AfmBOopTpYdNvauMuYnX52qiZdCoRgObbI_T5W_6lAH41ZB5JP1KTGoD

東京富士美術館「東海道五拾三次之内 二川 猿ヶ馬場 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04354/

文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 34 二川《猿ヶ馬場》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/174874

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