22. 岡部 宇津之山(東海道五十三次:歌川広重)

難所宇津谷峠

 現在の静岡県藤枝市。難所といわれる宇津谷峠を越えると岡部宿画面左右から迫ってくる山の斜面の間を通る宇津之谷峠を農夫たちが行き交う。この峠道は桃山時代に豊臣秀吉が整備し、後に街道として利用されるようになったという。道の脇には作られた水路を勢いよく流れる岡部川が描かれている。向こうから歩いてくる3人の中の奥の人物を上半身のみ描き、3人が急な峠を登ってきた様子を巧みに描写している。昼なお暗い山合いの川は段差で表現されるような急流で、左右の山の勾配も急。右側の山中に『伊勢物語』で有名な「蔦の細道」がある。

〈参考サイト〉

文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 22 岡部《宇津之山》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/227292

東京富士美術館「東海道五拾三次之内 岡部 宇津之山 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04342/

知足美術館「岡部 宇津之山|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/21_okabe/

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