20. 鞠子 名物茶屋(東海道五十三次:歌川広重)
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ひと時の休息
現在の静岡県静岡市駿河区。松尾芭蕉の句に「梅 若菜 丸子の宿のとろろ汁」と詠われた丸子宿の情景。茶店には「名ぶつとろろ汁」との看板が立てかけられ、床几に腰を掛けた旅人が大きな口を開けて、名物のとろろ汁を美味そうに頬張っている。「お茶漬け」「酒さかな」の看板も掲げられ、店内には巻き藁に刺さった魚や干し柿も見える。茶店の藁葺き屋根に黒く止まるは烏の影か。背景のこんもりとした山は横田山である。子を背負った女の給仕、とろろ汁を味わう旅人。ひとときの休息がのどかに描かれている。本図の後摺りでは「丸子」が「鞠子」と改変される。
〈参考サイト〉
文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 21 丸子《名物茶店》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/199251)
東京富士美術館「東海道五拾三次之内 丸子 名物茶店 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04341/)
知足美術館 「鞠子 名物茶店|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/20_mariko/)
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