18. 興津 興津川(東海道五十三次:歌川広重)
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歴史を偲ぶ名所
現在の静岡県静岡市清水区。薩埵峠(さったとうげ)を越えると、水深の浅い興津川につきあたります。奥に見える白浜に青松の景色は三保の松原である。その先には船の四角い白い帆が浮かぶ。興津川を渡るのは2人の力士たち。一方は人足が4人掛かりで担ぐ駕籠に乗り、もう一方は馬に乗る。江戸時代、相撲は勧進相撲と呼ばれ、寺社奉行の許可のもとで社寺への寄進や修復費用を賄う目的で開催された。力士の重さに手を焼く人足と馬の姿と、意気揚々とした力士の姿がほのぼのとした滑稽味を感じさせる。この付近は風光明媚な平地が続き、遠景の松林は、万葉集に詠まれた許奴美(こぬみ)の浜とも言われていいる。付近には7世紀創建の清見寺などもあり、歴史を偲ぶ場所であった。
〈参考サイト〉
東京富士美術館「東海道五拾三次之内 奥津 興津川 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04338/)
アダチ版画研究所「歌川広重「東海道五拾三次 奥津 興津川」」(https://store.adachi-hanga.com/products/uk_hiroshige030?srsltid=AfmBOoo5OSe5U1DfxHdt8FtJAXjrP8jm4WU_051riVsfVXorzmqVWkOw)
文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 18 奥津《興津川》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/197748)
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