17. 由井 薩埵峠(東海道五十三次:歌川広重)

東海道の難所・・・「親知らず」

 現在の静岡県静岡市清水区。薩埵峠は峠に入る前の波打ち際で荒波にさらわれる旅人も多く、「親知らず子知らず」と呼ばれ、東海道の難所の一つとして知られていた。峠からの眺めは、五拾三次中で最も美しいといわれている。海に面した切り立つ峠を越える際、突然背後に現われる富士の姿に旅人は感動したという。駿河湾越しに見える富士が美しく、急勾配な峠の輪郭とそこに生えた松のフォルムが共鳴するかのように配される。海上に浮かぶ船の四角い帆も画面に一定のリズムを与えている。

〈参考サイト〉

知足美術館「由井 薩埵嶺|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/16_yui/

東京富士美術館「東海道五拾三次之内 由井 薩埵嶺 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04337/

文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 17 由井《薩垂嶺》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/175057

関連記事

arrow_upward