15. 吉原 左富士(東海道五十三次:歌川広重)
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「左富士」の名所
現在の静岡県富士市。元吉原から吉原へ、田んぼの中を曲がりくねって続く松並木の街道は、富士の姿を左に見ることができ、「左富士」と呼ばれ、皆に親しまれた名所であった。東海道はもう一カ所、茅ヶ崎の南湖でも左富士を楽しめたという。馬に乗る3人の子どものうち、左の2人は眼前に見えてきた富士に気づき、夢中に見つめているが、右端の子どもは居眠りしているのか、頭を右にがっくりと垂れている。松の並木が迫り来るようなリズムを作り出し、画面に何ともいえない臨場感を与えている。軽やかな配色は、この作品の温かみとなっている。
〈参考サイト〉
東京富士美術館「東海道五拾三次之内 吉原 左富士 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04335/)
アダチ版画研究所「歌川広重「東海道五拾三次 吉原 左富士」」(https://store.adachi-hanga.com/products/uk_hiroshige027?srsltid=AfmBOop7kjqAUskyeZPgCGvUS0UzS4OPb059KiBC04yTwQ5H5AqBYxTZ)
文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 15 吉原《左富士》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/208585)
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