14. 原 朝之富士(東海道五十三次:歌川広重)
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画面枠をはみ出す富士
現在の静岡県沼津市。最も富士山が美しく見える所がこの地である。母娘であろうか、2人の女性とお供の男性。その背後には、朝焼けをバックに雪を被る雄大な富士がそびえており、女性たちはその偉容に思わず足を止めている。富士の頂が画面をはみ出すように描かれた斬新な構図には、すでに人気を博していた葛飾北斎の《冨嶽三十六景》シリーズへの対抗心のようなものを感じとることができる。右側に寄生火山愛鷹山を配し、湿地の浮島には2羽の鶴を取り入れている。田畑に戯れる2羽の鶴が峻厳な富士の姿を和らげるアクセントにもなっている。
〈参考サイト〉
文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 14 原《朝之富士》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/174854)
知足美術館「原 朝之富士|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/13_hara/)
東京富士美術館「東海道五拾三次之内 原 朝之富士 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04334/)
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