13. 沼津 黄昏図(東海道五十三次:歌川広重)
-
-
藍と鼠色を基調とした夜景の静けさ
現在の静岡県沼津市。街道沿いを流れる狩野川に沿って橋を渡った向こうは沼津宿である。画中、異様なまでに大きな天狗の面がまず目につく。この男は讃岐の金毘羅参りへの途上で、天狗の面は金毘羅大権現への奉納品とみられる。その前を行く2人連れは比丘尼とその従者。手には布施を受けるための柄杓を持っている。逆「く」の字に曲がった街道の先にも数人の旅人が見える。静寂さただよう黄昏に、宿場に急ぐ人々の情景を、大きな満月がさらに演出している。藍と鼠色を基調とした夜景の静けさが、胸に迫ってくる名作です。
〈参考サイト〉
文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 13 沼津《黄昏図》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/241883)
アダチ版画研究所「歌川広重「東海道五拾三次 沼津 黄昏図」」(https://store.adachi-hanga.com/products/uk_hiroshige025?srsltid=AfmBOoosNfzMvOGVOrADDXb-reAQJusV2Z8ErcSABu4jvMjweWxK72TB)
東京富士美術館「東海道五拾三次之内 沼津 黄昏図 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04333/)
-
関連記事