役者見立東海道五十三駅

作者一陽斎豊国(三代目歌川豊国)

製作年嘉永5年(1852)以降

枚数:大判錦絵62枚

 非売品の目録と様々の版元から売り出された大判錦絵〈おおばんにしきえ〉62枚を、画帖形態に貼ったもの。五十三次の地名にちなんだ歌舞伎の登場人物が、当時の役者似顔で描かれ、背景は保永堂〈ほうえいどう〉版『東海道五拾三次』(広重画)を利用している。購買者は地名と人物の見立〈みたて〉を解いて楽しみ、贔屓の役者の舞台を思い出したものと思われる。「役者東海道」は嘉永5年から売り出された揃い物大判錦絵であるが、非常に好評だったため、正編、続編、間の宿〈あいのしゅく〉シリーズ等多く存在する。国立劇場の『芝居版画等図録VIII』に正編28図、続編14図が載るが、掲出本によって、「役者東海道」正編の実態が、ほぼ把握される。

〈参考サイト〉

国文学研究所「役者見立 東海道五十三駅」(https://www.nijl.ac.jp/pages/articles/200306/index.html)

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