8. 平塚 縄手道(東海道五十三次:歌川広重)
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海沿いの単調な平原
現在の神奈川県平塚市。遠景に見えるまん丸い形をした山は高麗山で、その後ろには小さく富士の姿が見える。縄手道とは畦道のことで、ここでは奥に向かって「く」の字に表現され、画面に奥行きをもたらす効果を生んでいる。中央には道沿いに立つ樹木の合間を上半身裸の状態で先を急ぐ早飛脚と、空になった駕籠を担ぎ、帰路につく駕籠かきが描かれる。街道脇に立つ平塚宿との境を示す榜示杭(ほうじぐい)が、一種のアクセントとなっている。丸みを帯びた低い高麗山に直線的な右の山、そして遠望の富士山。遠近、動静、直曲、高低を組み合わせた力強い構成。
〈参考サイト〉
東京富士美術館「東海道五拾三次之内 平塚 縄手道 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://www.fujibi.or.jp/collection/artwork/04328/)
知足美術館「東海道五拾三次之内 平塚 縄手道 | 歌川広重 | 収蔵品詳細」(https://chisoku.jp/tokaido/07_hiratsuka/)
文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 8 平塚《縄手道》 - 文化遺産オンライン」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/197738)
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