4. 神奈川 台之景(東海道五十三次:歌川広重)

旅人を手招く茶屋の女たち

 「台之景」は神奈川台と呼ばれる海沿いの丘のことをいい、眺望の良いところだった。この丘陵地の向こう側が現在の横浜。右の坂道には宿屋が並び、江戸からの旅人はここで最初の宿を取った。左側には船着場として栄えた港が描かれている。水平線上につきでているのは野毛山、その先の半島は本牧岬。街道沿いにずらりとならんだ茶屋の女たちが「おやすみなさいやアせ」と、盛んに客引きをしているのが滑稽。手を引かれた旅人のしぐさが何とも賑やかだが、手前には六部と呼ばれた巡礼者の姿も見える。この版図は最初から保永堂の単独出版。しかし後に改版された異版がある。

〈参考サイト〉

知足美術館「神奈川 台之景|東海道五十三次」(https://chisoku.jp/tokaido/03_kanagawa/

文化遺産オンライン「東海道五拾三次之内 4 神奈川《臺之景》」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/174844

アダチ版画研究所「歌川広重「東海道五拾三次 神奈川 台之景」」(https://store.adachi-hanga.com/products/uk_hiroshige016?srsltid=AfmBOoqh7N_EDrGENvFEytb6H-YkzFVY4yEKdEhkd1fM2w-EvdJ5eEUS

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