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【テーマ設定】
インタビュー計画概要:
インタビューの主たる目的は、少年画報社がいかにして新ジャンルを切り開き生き抜いてきたかという歴史と戦略
、そして戸田利吉郎氏のキャリアを通じて培われた経営的視点について詳しくお話を伺うことにある 。 大テーマ:少年画報社はいかにして新ジャンルを切り開き、業界を生き抜いてきたのか
中テーマと主な焦点:1.少年画報社の歴史と雑誌の変遷
少年画報社の歴史を語る上で欠かせない主要雑誌の変遷と、それらが切り開いたジャンルについて掘り下げる
。『少年画報』時代の付録文化やアーカイブ状況に加え 、『週刊少年キング』においては『銀河鉄道999』などのヒット作がありながら雑誌購入に結びつかなかったとされる「作品と雑誌のマッチング」の課題について検証する 。また、『月刊バットマン』でのアメコミ翻訳や『月刊ヤングコミック』による劇画への挑戦など、同社がいかにして多角的な試みを行ってきたかを確認する 。 2.編集者・編集長としてのキャリアと当時の社風
戸田利吉郎氏が現場で指揮を執った1970年代から80年代のキャリアと、当時の社風に焦点を当てる。『増刊ヤングコミック』編集時代における学生運動やカウンターカルチャーとシンクロするような社内の空気感、そして『週刊少年キング』のリニューアルや『湘南爆走族』のヒットの裏側とともに、1986年に発生したボイコット運動や解任騒動という激動の時代の詳細について伺う。
3.経営者としての視点と電子出版への戦略
2008年の社長就任以降の経営戦略、特に電子出版への取り組みについて確認する
。現代の学生などは『ワンナイトモーニング』等のヒット作を知っていても出版社を認知していないケースが多いが、コンテンツごとの単独販売が増加したことで、かつての「雑誌とのマッチング問題」が解消されているのか否か、経営者の視点から現状と今後の展望を紐解く。 期待される成果:
本インタビューを通じて、かつて『週刊少年キング』などで課題となっていた「作品と雑誌のマッチング」の問題が、コンテンツごとの単独販売が主流となった現代の電子コミック市場において解消されているかどうかの検証が期待される。また、創業者の精神や独自のアットホームな社風が、学生運動期や社内紛争といった業界の荒波を乗り越える原動力としてどのように機能したのかを言語化できるとともに、付録を含む過去の膨大な資産が現在どのように保存・活用されているかというアーカイブ戦略の実態についても明らかにできると考えられる。
【参考文献】
竹内オサム編, 『日本児童雑誌編集者会機関誌『鋭角』―高度成長期のマンガ・出版・読書』, 2019年.
竹内オサム, 「『鋭角』復刻の重要な意味―戦後マンガ史研究への寄与」, 『日本児童雑誌編集者会機関誌『鋭角』―高度成長期のマンガ・出版・読書 別冊』, 2019年.
藤掛正邦, 「マスメディアが進化した昭和後期におけるコンテンツ開発の研究『導入期Ⅱ』:カウンターカルチャーの風 1964-1972」, 『湘南フォーラム』, No. 23, 文教大学湘南総合研究所, 2019年, pp. 49-65.
「5社体制に終止符, 『キング』穴埋めへ隔週誌」, 『日本経済新聞』, 1982年5月19日.
「衣替えで不振雑誌テコ入れ」, 『日本経済新聞』, 1982年7月7日.
「戸田社長(当時)コメント」, 『日本経済新聞』, 1982年7月7日.
「橋本一郎」, 『日本経済新聞』, 2015年9月20日.
「少年誌の付録栄枯盛衰の歴史」, 『日本経済新聞』, 2018年6月2日.
戸田利吉郎
