No.65 新板仮名手本忠臣蔵飛廻双六

無款
67.0×46.0、天保初期(1830)頃
アート・リサーチセンター蔵: arcSPC1-0003
 

  文化期(1804~1818)以降の上方では、人気演目を扱った双六がつくられていた。版元の柏屋宗七は天保初期(1830)頃に有名演目を双六として数多く出版しており、展示品もその一つと思われる。各コマごとに「仮名手本忠臣蔵」の各場面を描き、いろは順に見ていくと「仮名手本忠臣蔵」の筋が追えるようになっている。色彩が淡いのは、型紙を用いて彩色する合羽摺<かっぱずり>と呼ばれる技法で摺られているからである。合羽摺は複数の色板<いろいた>を用いる錦絵よりも簡易に製作できるため、絵尽の表紙など上方の安価な出版物によく用いられた。

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