だんもの
歌舞伎
いろいろの意味に使われる。
(1)一般には、一貫した筋のない寄せ集めの小唄を端物(はもの)というのに対して、一段として筋のまとまって長唄・常磐津・清元などの長篇音曲を段物という。長唄では「越後獅子」は端物で、「勧進帳」は段物。
(2)義太夫浄瑠璃では、丸本の中から道行とか景事とかの、節廻しのおもしろい一段を抜いて段物という。
(3)舞踊では端唄の踊りを端物といい、長唄・常磐津・清元などによる踊を段物という。
(4)謡曲では「熊谷」の文(ふみ)の段などのように、一曲の内眼目となっている一段をいう。