関の扉

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せきのと


歌舞伎

原名題は「積恋雪関扉」。常磐津舞踊劇。宝田寿来作。天明四年(1784)、初世中村仲蔵(関兵衛)、三世瀬川菊之丞(小町・墨染)らによって初演された。 常磐津としても名曲である上に、歌舞伎舞踊のうちでも大物で、上演時間一時間半を超える。本来、顔見世狂言大切浄瑠璃なので、筋はまことに荒唐無稽である。場画は雪の逢坂の関で、上下二巻にわかれる。 上の巻は、この関を守る良峯宗貞が偶然通りかかった相愛の小町に逢って、恋物語になる筋である。その仲介をした関兵衛は、実は天下を狙う大伴黒主という悪人。宗貞はその不審な態度をあやしみ、小町を小野篁の許に走らせる。 下の巻では、関兵衛が墨染桜を明って天下を調伏しようとすると、桜の精が傾城となって現われ、廓話のうちに勘合の印を奪って、その正体を見顕わす。 歌舞伎舞踊の技巧や演出の面白みとかがよく出ていて、変化の多い踊りなので、上演度は非常に多い。