矢の根

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やのね


歌舞伎

歌舞伎十八番の一つ。享保十四年(1729)初演。 市川家の荒事の味が多分に残っており、伴奏の大薩摩の勇壮で古風な味、夢幻的な筋、ユーモラスな趣き等、充分鑑賞に価する。 曾我の五郎は父の仇を討たんと一心に矢の根を研いでいるが、春の日永につい砥石を枕にうたたねをする。その夢に兄の十郎があらわれ、工藤の館にとらわれているから、危難を救ってくれとつげる。ガバとはねおきた五郎は、折から通りかかった馬子からうばった裸馬にまたがり、大根を鞭に、工藤の館に一目散にかけつける。