湖月抄 こげつしょう
刊本、大本、60冊、江戸時代

本居宣長は生涯に4度(4度目は藤裏葉巻まで)、「湖月抄」を用いて門人に講義をしている。本居宣長記念館には宣長自筆の書き入れや貼紙のある「湖月抄」があり、宣長説の詳細が知られる。これに類する書き入れや貼紙を有する本が何本か知られているが、本書もその一つで、近年、本学の所蔵になったものである。夢浮橋巻末尾に「申ノ正月廿二日此巻校合了」の貼紙に加え、「宝暦十三年癸未二月十七日一本校合終業 本居宣長(花押)/明和九年壬辰九月十六日又本(頭書本)校合終業識別之」との書き込みがある。さらに「弘化二乙巳年四月十八日以鈴屋大人校合本書入畢/七里蕃門」と記す。箱は明治8年の制作。宣長門人で京都出身の七里蕃民(『和学者総覧』による)の後裔か。