友禅ひいなかた ゆうぜんひいなかた
四巻四冊、貞享5(1688)年(*大正15年、稀書複製会・米山堂による復刻本)(立命館大学人文系文献資料室所蔵)
江戸期には「雛形(ひいながた)」とよばれる柄の見本帳が多数出版された。これらは通常、一頁に一図、両袖を広げた小袖の背面と題名や色・加工法などを墨一色で描く。これに対して、近代の図案は、彩色され、また裾模様や型紙用のくりかえし図案など雛形形式以外のものも多数作成された。
『友禅ひいなかた』は京都の小林善兵衛・小佐治半左衛門版。友尽斎日置徳衛門清親画。清親は宮崎友禅に師事したといい、当雛形の書名と優れた文様図は、凡例に「友禅流」という技法と共に友禅の名を広める役割をもった。
なお、本書は『小袖模様雛形本集成』第1巻(学習研究社、1974年)として復刻されている。