図案の裏面―星久・松居商店 ずあんのうらめん─ほしきゅう・まついしょうてん
型紙への転写作業を終えると、図案には切れ目や弱った部分ができため、補強のために反故紙や古紙を貼り付けた。そうして添付された紙のなかにはその工房や企業の帳簿類はもとより、新聞紙、役所や学校・企業文書、子供の手習い用紙まで多岐にわたる。京都以外の府県から持ちこまれた文書も多い。
これらの資料は添付された図案の作成・使用年代決定の参考になるほか、近代史の史料としても活用が期待できる。

星久・松居商店関連文書。星久・松居商店(株式会社星久)は、滋賀県神崎郡五個荘町にルーツをもつ近江商人松居久左衛門家による染加工業者。江戸期より京都に進出、昭和28(1953)年より中京区三条通高倉東入ルに本社をおいた。現在は廃業。
本学6群の資料内に染色業者のものと思われる文書類や工房・職人によるラベルや判の添付された資料は多いが、星久松居商店の屋号や「●\●」(星久の商標)の入った文書はそのなかでも多い。