友禅 ゆうぜん
一冊、和田文次郎、友禅斎史蹟保存会、大正9(1920)年
石川県在住の郷土史家 和田文次郎による友禅の研究書。加賀は友禅斎のゆかりの地とされている。友禅斎はもともと加賀・あるいは能登出身で、京都で画期的な染法を編み出し成功した後、晩年は金沢に戻ったとする伝聞が人口に膾炙していた。しかし大正期以前には、こうした伝聞をうらづける史料や根拠は存在しなかったようである。和田はこうした加賀や加賀染と友禅斎との関わりを中心に論じた。