火天

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かてん


画題

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解説

画題辞典

仏教にて十二天の一、波羅門教に於ては苦行外道即ち事火婆羅門なり、故に仙人の形相をなし、仙杖を持す、又不空の供養十二大威徳天報恩品の意に拠るに、火天喜ぶ時二利益あり、一は人身熱気時に随って増減し、二に時節違わず。火天瞋る時二損あり、一は人身熱気非常に増減し、二は自然に火を散し諸物を焚焼すという。火天を供養する時は諸の火神及諸の持明神仙衆倶に来りて壇場に入り、同時に受供し衆生を守護すと、其形、身色深紅、鬢髪皓白、苦行仙の形をなして大火焔の中にあり、四手各仙枝藻瓶珠数を持す、之を画けるもの奈良西大寺、京都東寺、神譲寺に国宝あり、清涼寺、高山寺、観智院亦名品を蔵す、尚、十二衆天の条を見るべし。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

仏教の十二天の一、梵名を阿耆尼といふ。此天は婆羅門教に於ては、苦行外道即ち事火婆羅門である、故に仙人の形相をなし、仙杖を持つ、密教に於ては胎蔵界曼荼羅外金剛部院の東南方に列す。大日経に『行者於東隅而作火仙像、住於熾焔中、三点灰為標、身色皆深赤、心置三角印、而在円焔中、持珠及澡瓶』疏には『東南隅布列諸火天衆、住火焔中額及両臂各有三灰画、即婆羅門用三指取灰自塗身象也、一切深赤色、当心有三角印、在焔火円中左手持数珠右手持澡瓶此是普門之一身、為引接火祠韋陀梵志、方便開示仏囲陀法故示此大慧火壇、浄修梵行之幖識也』とある、又不空の供養十二大威徳天報恩品の意によるに、火天喜ぶときは二利益があり、一は人身熱気時に随て増減し二は時節逆はず、火天瞋るときは二損あり、一は人身熱気非時に増減し二に自然に火を散じ諸物を焚焼すと云ひ、火天を供養するときは、諸の火神及諸の持神仙衆倶に来つて壇場に入て同時供養し衆生を守護すといふ。  (日本百科大辞典)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)