金剛界曼陀羅

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こんごうかいまんだら


画題

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解説

画題辞典

真言宗に於ける秘密曼陀羅にして、羯磨会、三昧耶会、微細会、供養会、四印会、一印会、理趣会、降三世羯磨会、降三世三昧耶会の六会より成るを以て、一に又、九会曼陀羅とも称す。其の組立次の如し。  理趣会 降三世羯磨会 降三世三昧耶会  一印会 羯磨会    三昧耶会  四印会 供養会    微細会従本垂跡の化他門の場合に於ては、羯磨会より始めて、三昧耶会、微細会、供養会、四印会、一印会、理趣会、降三世羯磨会、降三世三昧耶会に至るを順序とすれども、自利門に因り成仏を論ずる時は之を反対に降三世三昧耶会に始まりて羯磨会に終る順序となすべし。さて羯磨以下五会は共に大日の曼陀羅にして中台は大日如来なり、本地自性の仏体なれば自性輪身と称す。第七会なる理趣会は金剛薩陀の曼陀羅にして中台は金剛薩陀なり、薩陀に大日の所変にして假に薩陀に顕して正法を以て化するものなれば正法輪身と称す。最後の降三世羯磨会と降三世三昧耶会とは、大自在天等の化し難きあるが故に、金剛薩陀は更に忿怒の相を顕して之を降伏することを表するものなり、之を散金輪身という。総て此全曼陀羅に顕われたるもの一千四百六十一尊あり、何れも理の表徴たる蓮華に乗り智の表徴たる円相の中にあり。

山城神護寺、大和子島寺に、筆者不詳藤原時代の名作あり。尚両界曼陀羅の条見るべし。(『画題辞典』斎藤隆三)