蛍
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ほたる
画題
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解説
東洋画題綜覧
蛍は昆虫の一種、その体の一部から美しい光を放つので昔からよく知られ、夏の風物として逸することの出来ぬものである、源氏蛍、平家蛍の二種あつて源氏蛍は形が大きく、発光機関も従つて大きく山城の宇治川や武蔵の見沼川、甲斐の鎌田川などはその名所として聞えてゐる、そこで宇治蛍の異名もある、平家蛍は総て小形なので姫蛍とも呼ぶ、その卵の孵化する状態から昔は腐草化して蛍となるなど伝へられ、その光から、夜照、救火、拠火、挟火、鎮火、丹鳥、夜光耀々、腐耀、輝夜、宵燭丹、良宵行、即炤徴公虫、夜遊女子など非常に多くの異名がある。
蛍火乱飛秋已近、辰星早没夜初長。 元
蒹葭水暗蛍知夜、楊柳風高雁送秋。 許渾
明々仍在、誰追月光於屋上、皓々不消、豈積雪片於床頭。 秋蛍照帙賦紀
山経巻裏疑過岫、海賦篇中似宿流 同前 直幹
くさふかくあれたるやとのともしひのかせにきえぬはほたるなりけり
つつめともかくれぬものはなくむしのみよりあまれるおもひなりけり (倭漢朗詠集)
蛍を描いた作
上村松園筆 『蛍』 第七回文展出品
山川秀峰筆 『蛍』 第八回帝展出品
山口蓬春筆 『良宵行』 第一回個展出品
川端竜子筆 『洲前黄昏』 昭和六年個展作品
川崎小虎筆 『蛍』 水墨画展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)