波濤
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はたう
画題
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解説
画題辞典
哮吼喧鬨、白湧き碧飜る、或は雲となり或は雨となる。激浪怒濤の澎湃するは天地の壮観偉観にして、天宇澄研万頃茫として水波緩く動く時は、亦清美極まりなきの景とすべし。古来これ等の光景を図するもの多し。
雪村筆岸浪図双幅(秋元子爵旧蔵)雪村筆風浪図(佐竹侯爵旧蔵)伝狩野元信筆波濤図十二面(京都禅林寺蔵国宝)円山応挙筆波濤二十八幅(山城金剛寺蔵国宝)狩野探幽筆岸波(佐竹侯爵旧蔵)
又近世にては葛飾北齋波浪の種類を研究して「風をおこす浪」「浅き水」「巻かはす浪」「たき」「細工なみ」「大浪」「川」「打合せのなみ」「海」「高い浪」「うちまはす浪」「とうなみ」「さゝなみ」
など描き分けたり。現代にては横山大観が「鶺鴒」に配せる浅瀬の渓流を写せる波に細き線と群青の濃淡を以て描法に新機軸を出し世評を博せり。
(『画題辞典』斎藤隆三)