厩
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うまや
画題
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解説
東洋画題綜覧
厩は馬を入れ置く小舎、昔は禁中、院、東宮、摂関家、武家等により、其の制度を異にし、其のロの広さ狭さによつて二間厩、三間厩、五間厩、七間厩、十三間厩、十五間厩の称があつた、其の建築に就いても水流の附け方、窓のあけ方などに定法があり、又其の口を北向きにするのを忌み、殊に丑寅の方向を忌む、又、馬を始めて厩に入れるにも、定法があつた。なほ禁中には左右馬寮を置いて厩馬の事を掌らしめ、院にも御厩があつて馬を飼はれた、将軍家の厩には常の座所と対面所との間に三間の厩があり又東門の前に十一間の厩があつた、武家は弓馬を専らとするのであるから必ず厩があり、これを掌るものを厩奉行といふ、厩は廊の内に建てこれを内厩といふ、別棟に建てることもあるが廊より続けるものを常とする、温冷を適宜にし土のこしらへ、四方の蔀等に定法あり、古制によれば、さし入る口を一の厩、奥のとまりをニの厩といひ、二つを上位とし七つの懸物即ち馬抓〈うまくし〉、馬ばけ、竹刀、打刀、爪打槌、勒通縄、薬筒を置き、其他剪刀、焼印、粥窓、槽、剉薙等を備へ、又厩の内に侍とて客人の従者などを置く所あり、是を遠侍といひ大間七間、板敷で武具を飾る、鎌倉御殿図には遠侍の外に草の間など見えてゐる七間厩是れである。 (日本百科大辞典)
厩を画いたものに粟田口隆光筆六曲一双(元紀州徳川家蔵)及与謝蕪村にその作がある。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)