一中節

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いっちゅうぶし


総合


歌舞伎

浄瑠璃の一種で古曲の一つ。元禄宝永(十八世紀初頭)の頃、京都の都太夫一中(1650-1724)が語り広めた上方の古浄瑠璃の一つ。現在は都派の十一世都一中、菅野派の五世菅野序遊、字治派の五世宇治紫文によりつがれているが、ほかに昭和三十一年二月重要無形文化財保持者に指定された二世都一広がいる。 浄瑠璃の長所を取入れ、当時勃興してきた義太夫節とは別に、温雅で叙情的な表現を目指した。三味線は中棹を用い、全体的に上品かつ温雅、重厚を以てその特徴とし、昔から後援者に富豪が多い。代表由に「助六心中」「椀久末の松山」などがある。 上方の御座敷浄瑠璃が起源で、世にひろく愛好されたが、江戸にうつり歌舞伎の伴奏音楽として用いられた。一中節自体ははやい時期に細い流れとなり、上方では早く衰退した。現在は素浄瑠璃専門として、東京を中心に一部伝承されている。