亀
かめ
画題
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解説
東洋画題綜覧
亀は爬虫類の中、水棲生活を為すもので、体の表面には堅固な甲を有して体を保護し、頭尾四肢のみ甲の外に出る、両顎には歯なく鳥の嘴の如く、池湖沼海等に棲息し、植物、魚貝類昆虫等を食とする、日本に於て晨も普通なのは石亀で背の甲に緑藻類の着生したものを簑亀といひ、嘉瑞として珍重された、此の外、草亀、丸亀、山亀海亀、赤海亀、青海亀、玳瑁鼈などがある、総て動物中の長寿あるものとせられ、鶴は千年、亀は万年といひ、松竹梅などに配せられて吉祥図とせられる。
亀を画いたものは、古来少くない、主な作を二三挙げる。
尾形光琳筆 『扇面画亀』 岩崎男爵家旧蔵
渡辺崋山筆 『水辺亀』(国宝) 花鳥虫魚画冊の中
柴田是真筆 『群亀之図』 渋沢子爵家旧蔵
朝鮮江西賢遇里大墓壁画『玄武図』
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)