無花果
いちじく
画題
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解説
東洋画題綜覧
桑科に属する植物で小亜細亜辺の原産といはれてゐる、葉は互生し大きくして三裂し掌壮脈を呈し切れば乳汁を出す、花軸から成る花嚢を葉腋から出し内部に無数の花がある、花は雌雄の別があつて同一の嚢中に生じ、通常雄花は上辺に雌花は下にあるのであるが、我邦に渡来したものは只雌花を有するばかりである、その花の外部に現はれぬところから、無花果の称がある、そして我が国に渡来したのは寛永年中で先づ長崎に渡り次で全国に分布するやうになつた、形が面白いので、よく画材となる。
横山大観筆 『無花果八歌鳥』 淡交会出品
結城素明筆 『無花果』 第一回文展出品
磯田長秋筆 『背戸の秋』 第七回帝展出品
速水御舟筆 『無花果』 個人展覧会出品
辻永筆 『無花果畑』 第六回帝展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)