竜門鯉
りゅうもんのこい
画題
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解説
東洋画題綜覧
竜門の険を登つた鯉はよく竜となるといふ、登竜門の熟語これより起り、鯉の瀑布を昇る図またここに拠る、出所は『三秦記』に、
竜門水険不通、亀鼈之属、不得上、江海大魚薄集竜門下数千、得上則為竜也。
と林道春の庖丁書録に曰く。
大河の源は崑崙より出で積石山をへて竜門となる、此処に三級とて三重みなぎり落つ急流あり、其の波の音、百千万の雷一度にはためきたるが如し、春三月の比、桃花の浪ながるゝ時、魚此所をのぼる、鯉竜門にのぼれば化して竜となる、諸魚のぼり得ざれば水にたゝきおとされて死して顋をさらす也。
鯉の滝登りに竜門鯉と題するものも多い。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)