菩提樹
ぼだいじゅ
画題
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解説
東洋画題綜覧
桑科に属する常緑喬木、東印度の産で幹は高さ十丈に達し、葉は平滑、鮮緑色でやゝ卵円形をなし葉頂長く尖り尾のやうであり、長い柄があつて枝上に互生す、花は単性で隠頭花序をなし、果実は球形、無花果に似てゐる、此の植物は一切諸仏の菩提を成就するのとき、必らずその道場にある樹、一名畢鉢羅樹、釈迦牟尼仏はこの樹のもとに在つて正覚を成就したといふ、正しくはベンガル菩提樹である、本邦に普通菩提樹と称へるものは、田麻科〈からすのこま〉に属する落葉喬木で前者とは違ふもの、仏経に現はれるのは勿論前種である。
菩提樹を画いた作
森一鳳筆 『菩提樹仏法僧』 藤田男爵家旧蔵
寺崎広業筆 『出山釈迦三幅対』 神戸鹿峰氏旧蔵
荒井寛方筆 『菩提樹下』 第一回文展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)