二見の浦
ふたみのうら
画題
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解説
東洋画題綜覧
伊勢国の名勝、志摩半島の沿岸の大島小島を望むところ、有名なる夫婦岩が屹立し、左方大なる岩は高さ三丈、右小なる方高さ一丈両岩の間に注連縄を張り大岩の肩に小華表を立つ、日の出の景色雄大なるを以て聞えてゐる。
ますかゝみ二見の浦にみがかれて神風きよき夏の夜の月 (拾遣愚草) 藤原定家
夏の夜は玉ゆらもなし玉くしけ二見の沖にあくる月かけ (夫木抄) 藤原家隆
その日の出の光景は古来描かるゝもの枚挙に遑もない。
松村景文筆 『二見ケ浦図』 近衛公爵家旧蔵
香蝶楼筆 『二見浦曙図』 仁井田益太郎氏蔵
一立斎広重筆 『二見浦図』 諸国名所図会の中
藤麿筆 『二見浦美人図』 帝室博物館蔵
富岡鉄斎筆 『二見浦晴雪』 坂本光浄氏蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)