納蘇利
なっそり
画題
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解説
東洋画題綜覧
雅楽の名、高麗楽で二人で舞ふもの、舞者の一人の時は落蹲といふ、(天王寺所伝に舞中に脆く手ありと聞く、此等より落蹲の称あるか)走物の一で面は紺青、緑青の両色、桴(長さ六寸許黒漆紅緒)を旋転して舞ふ、帽子、襠裲の服装は抜頭と同じである。 (大言海)
白河院の御時、時資を召して、御寵童二郎丸に貴徳納蘇利の秘事授くべきよし、勅定ありけるに、時資再三辞して教へず、『かやうの童、当時こそ候へ、成人の後は、我業にあらねば、是を秘すべからず、世のため、道のため、凌遅のもとゐに候ふ』とて遂にさづけず、これによりて天気快からずなりにけり。 (古今著聞集十五)
納蘇利は舞楽の図によく描かれるが、醍醐三宝院の宗達筆舞業屏風の一部にこれが図せられてゐる。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)