張九齢
ちょうきゅうれい
画題
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解説
東洋画題綜覧
支那唐代の名臣、字は子寿、韶州曲江の人、幼にしてよく文を属す、長じて進士に擢でられ中書令となる、宰相張説その人物を推して後出詞人中の冠をなすといふ、玄宗皇帝の千秋節に群臣みな宝鑑を献ずるのに、九齢独り『事鑑十章』を上り『千秋金鑑録』と題して諷諭する所あり、嘗て李林甫の横恣を抑へ反つて陥られ相を罷めて、隠棲し六十八にして歿した、又、安禄山が軍紀を紊し師を喪ひ、将に守珪の為めに斬られやうとした時、玄宗その才を惜みこれを宥す、九齢固く争ひ、安禄山を殺さずんば必らず後の患とならうといつた、帝遂に従はず、果して安禄山反し天下の騒乱を醸した、文献と諡す、その著に『張曲江集』がある。
感遇 張九齢
孤鴻海上来、池潢不敢顧、側見双翠鳥、巣在三珠樹、矯々珍木顛、得無金丸懼、美服患人指、高明逼神悪、今我遊冥々、弋者何所慕。 (唐詩選)
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)