鯛
たい
画題
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解説
東洋画題綜覧
鯛は海魚の第一に推されてゐる美しい魚である、真鯛が代表的のもので、その淡紅紫色を帯びた色彩、光沢のある鱗、その形状も整つてゐる点一寸他に比類が無い、古来祝儀用の魚として珍重せられて来たのも所以なきでない。その種類には、眼一、黒鯛、緑鯛、ヘ鯛、血鯛、黄鯛、玉目、石鯛、甘鯛、金眼鯛等があり、鯛と呼ばれてゐるものは此の外にもある。真鯛には棘鬣魚、赤鯛、吉鬣、平魚、紅魚、赤海、鯽魚等の別名異名もある。昔から夷三郎の此の魚を抱へた姿は人口に膾炙されてゐる。海物として画かるゝ場合も多い。
渡辺崋山筆 『海錯図』 岩崎男爵家蔵
松村景文筆 『荒磯』 神崎某氏旧蔵
西山莞瑛筆 『荒磯鯛』 神戸田村家旧蔵
竹内栖鳳筆 『錦鱗』 昭和十三年作品
西村五雲筆 『春の香』 置作展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)