檜垣嫗
ひがきのおうな
画題
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解説
前賢故実
肥後国の遊女。美しい容姿を持ち、和歌に秀でた。檜垣子に逢えば、彼女のことが好きにならない人はいなかった。天慶中、純友が叛乱を起こし、民家を焼きその財物を奪ったりしていたため、檜垣子も難に遭い零落れてしまった。太宰大貳の小野好古が、勅命を奉じて純友を討伐しに行く途中、肥後の白河をわたる時に「昔から檜垣の名を聞いており、今日ここに来たので、彼女に会ってみたい。」と言い出した。すると、裸足で古くてぼろぼろの服を着た老婆が、河辺に来て水を汲もうとした。従者がその老婆を指さして「彼女は檜垣だ」と言った。好古は檜垣の老齢と貧しさに驚き、故を聞こうとしたが、檜垣は恥ずかしくて好古の側へ行かず、和歌を詠んで謝意を表した。好古は哀れに思い、自分が着ている衵を脱いで檜垣に贈ったという。
そのうた
ぬばたまの わがくろかみは しらかはの みづはくむまで なりにけるかな
(『前賢故実』)