大中臣国雄
おおなかとみの くにお
画題
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解説
前賢故実
清麻呂の玄孫。幼い頃よりずばぬけて聡明であった。八歳のときに父親を亡くし、叔父の壹演に育てられた。徳操を守り、高逸な志を持ち、読書を好み、博識を目指していた。壹演が国雄を僧侶にさせようとしたので、国雄の名前を定進へ改め、経書や史書を勉強するようと勧めた。国雄は叔父の思いに従い、書籍箱を背負って師匠を尋ね、細心で頭がよく、記憶力が抜群だったので、ついに九経、三史、老荘などを読破し通ずるようになった。質問に対してはよどみなく応答できたという。その後、文章得業生となり、秀才になるための試験に参加しようとしたが、試験の前に從五位下を授けられた。これは特別な礼遇であろう。のち祭主神祇大副にまで務めた。
(『前賢故実』)