良峰安世
よしみねの やすよ
画題
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解説
前賢故実
正三位大納言兼右近衛大将。桓武天皇の庶子で、良峰という姓を賜った。子供の頃より鷹や犬を好み、騎射をよくしていた。成人してからはじめて孝経を読んだ安世は、「素晴らしい教えの極みがここにある」と感嘆していた。それからは以前の嗜みを捨て、勉学だけに励んでいたので、遂に名臣になった。安世はかつて灌漑を助けるために、自分の創意で水車を造り、農業の進歩につなげていた。後世の人々は安世の水車を頼っていた。天長七年薨去、享年四十六歳。從二位を贈られた。
山亭において琴を聴く
山客琴声何処奏(山の隠者がどこで琴を奏でているのだろうか) 松蘿院裡月明時(サルオガセのある庭が月に明るく照らされているとき) 一聞焼尾手下響(隠者の手元から素晴らしい琴の音色が流れてくると) 三峡流泉坐上知(座りながら揚子江にある三峡の流泉の響きが聞えてきたような気がする)
(『前賢故実』)