閻魔
えんま
画題
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解説
東洋画題綜覧
閻魔は梵語、閻魔羅の略、冥官の名である、閻浮州の南方鉄囲山の外部にある地獄に住し常に十八の将官と八万の獄卒を従へて、世界の有情の死して地獄に来るものを審判し、これを懲罰して諸々の不善を止める、故に訳して遮止又は静息といふ、この閻魔には一妹がある、兄の閻魔はヤマで妹はヤミーといふ、兄は男性を審判し妹は女性を審判す、共に地獄の王である故にまた双王とも云ふ、一説には閻魔は王位にあるが、なほ一日三時悪魔の為めに熱銅を口に注がれる、そこで苦楽並に受くるので双王と名づくともいうてゐる、又閻魔は一切の造悪不善を息めさせ諸々の生類を益する処から閻魔法王と名づけらる。 (仏教辞林)
閻魔の仏画として名作に国宝堺長泉寺所蔵がある、なほ地獄変相の図として閻魔大王を描いたものに河鍋暁斎の作がある。東京美術学校の襲蔵である。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)