陸放翁
りくはうをう
画題
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解説
画題辞典
陸放翁、南宋の詩人なり、名は游、宋に務観、支那趙州山陰の人、其世に在るや、時恰も金兵の頻りに国境に逼りて社稷日に危きの際に会す、随つて一代詠ずる所の詩慷慨悲愴の感に充ちたるもの多し、放翁国家多難の時に出で、文字を以て立ち、人と交るに禮法に拘らず、人その頽放を譏るものあり、故に自ら放翁と號するに至る、嘉定二年卒す一代作る所の詩一万餘首あり、その調清淡にして而も義烈の氣に充つるは放翁の詩の特徴にして因て以て後世の誦する所たり。
英一蝶筆左右山水三幅對(佐竹侯爵旧蔵)
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
支那南宋の代表詩人、字は務観、号は放翁、忠心至誠の人で高雅な詩風は李、杜、韓、白に追随するといふ、秦桧に妬まれ、その死後、宝章閣侍剣渭南伯に封ぜられた、その作中『捨舟歩帰』四首の一の蔡中郎を詠じたものがあり『琵琶記』の参考に資せられる。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)