雪夜参内
ゆきよのさんだい
画題
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解説
画題辞典
雪夜参内の事、古今著聞集に記する所左の如し頭中将忠季朝臣、督典侍(法性寺執行能因法師女)を心がけて、年月を重ねけれども、いかにもなびかざりけるに、或る夜、雪の痛くふりけるに、いへより馬にのりて参内しけるみちのありさま、彗の面白ろさなどを絵にかきて、六位を語らひて、彼局へなげ入させたり、督のすけとり見て、あはれとや思ひけん、又画にやめでけん、夫より逢にけり、其後久しく通ひて少将親平はかのはらになんまうけける、古く倭絵の画材となる所なり、絵巻あり。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
『古今著聞集』の第八にある、頭中将忠季朝臣と督典侍の物語である。
頭中将忠季朝臣、督典侍〈かうのすけ〉を心かけて年月を重ねけれども、いかにも靡かざりけるに、或夜雪のいたくふりたりけるに、家より馬に乗りて参内したる道のありさま、雪のおもしろさなどを、初より絵にかきて、六位をかたらひて、彼局へなげ入れさせたり、督のすけ取り見て、あはれとや思ひけむ、又絵にやめでけむ、それよりあひにけり、其後久しく通ひて、少将親平はかの腹になむまうけける。
田中訥言が著聞集屏風の中に、これを画いてゐる。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)