壬生狂言
みぶきょうげん
画題
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解説
画題辞典
洛西壬生村の寶憧三昧寺心浄光院俗将壬生寺に於て毎年菜の花の咲く三月十五日より二十四日まで十日間法會あり、之を壬生大念仏といふ、その時に土民堂前の舞堂に於て無言の狂言を演ず、其の技に、桶取、炒鍋割、花盗人など二十九番あり、古風に鄙びて面白きものなり、之を壬生狂言といふ、京名物の一つとして図せらる。壬生寺縁起六巻(壬生寺所癒)
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
京都の壬生寺で、毎年三月十四日から、二十四日まで行はれる仮面をつけた無言劇、出し物には能狂言から出たものゝ外、特殊のものがある、大念仏ともいふ。
むかしより定まれる狂言の数二十五番あり、
桶とり、花盗人、紅葉狩、猿、愛宕参、狐釣、炮烙炒り、鵺、頼光山入、盲人川渡、節分、花見、猿引、閻魔角力、餓鬼責、曽我、賽の河原、棒しばり、性悪坊主、熊坂、羅生門、湯立、葵の上、男伊達、棒ふり
壬生の大念仏は中興の開山円覚上人よりはじまり、毎年三月十四日十日十夜本堂において修行す、此会の中種々の狂言をなす事愚痴蒙昧の輩勝縁を結ばしめて菩提の道に入しめんがための方便なるべし。 (都名所図会)
壬生狂言を画いた作に左の諸点がある。
梥本一洋筆 『壬生狂言の楽屋』 第九回文展出品
河合英忠筆 『壬生狂言』 同
三宅凰白筆 『永日鉦声』 第九回帝展出品
小林柯白筆 第十二回院展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)