葡萄
ぶどう
画題
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解説
画題辞典
葡萄は蔬果画の一ながら、竹梅等に次ぎて古來最も好んで画かるゝ所たり、宋末の宋日観墨画之を図して最も名高く明代にては僧月泉あり、亦顆はる。日観筆一幅(井上侯爵所蔵)同双幅(水戸徳川侯爵旧蔵)同双幅(京都天龍寺所蔵)愚菴筆一幅(京都本法寺所蔵)近世にては立原杏所好んで之を画く、
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
葡萄は葡萄科に属する植物で、花は四五月頃開く、五弁であまり美しくもない、花後果実を房状に結ぶ、その熟したものに青色のものあり紫色のものあり、美しく、唯に果実として美味なるばかりでなく、これにより酒を醸すことも古くから行はれてゐる、葉の形も面白い、果実また美しいので、絵画に画かれたものも極めて多い、殊に支那宋代の僧日観の葡萄は極めて有名であり、花鳥画としては時に栗鼠を配せらるゝことも極めて多い。日観の葡萄の作としては井上侯爵家蔵の一幅、鳥津公爵家旧蔵の作、水野家伝来のものなど有名であり、此の外にもある。
松花堂筆 前田侯爵家旧蔵
若冲筆 神戸田村氏旧蔵
松林桂月筆 『月下葡萄図』 歌舞伎座蔵
荒木十畝筆 『葡萄図』 著者蔵
山村耕花筆 『アレクサンドリア』 昭和七年個展出品
堂本印象筆 『実』 第十一回文展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)